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発酵は、農業の根源にある大切なファクター。
発酵食をつくり、味わうことで人とまちを元気に

大崎と発酵の結びつきを知る上で、まずは、【おおさき発酵と食文化研究会】の発起人であり代表でもある、大崎市松山の『一ノ蔵』、代表取締役名誉会長・淺見紀夫さんに話をお聞きしました。
「”発酵“というと、例えば、酒や味噌、漬物や納豆といった、食品の加工技術の一部と思われている人も多いのではないでしょうか? でも、実は、食や農の、もっと根源的な部分に関わるものなんですよ」。この、大崎地域には九つの酒蔵があり、味噌・醤油蔵も同じように数があります。伊達政宗公が護り育てた東北でも屈指の米どころで大豆の一大産地でもある大崎ならではの産業といえるでしょう。今も多くの酒蔵や味噌・醤油蔵などが点在しているのも、大崎の土地柄と歴史によるところが大きいといえます。
「酒は、その土地の米と水、そして人でつくられています。中でも重要なのが米。米づくりには、上手に発酵させた堆肥が欠かせません。蕪栗沼周辺で取り組んでいる『ふゆみずたんぼ』は、秋の収穫の後に耕さず、冬から春にかけて水を張る田んぼのこ

と。そこに水鳥がやってきて羽を休め、そのふんを微生物たちが分解・発酵して肥沃な田んぼをつくってくれる。ここで育てた有機米を、私たちの酒蔵で発酵・醸造する。この酒の源にこそ、発酵があるんです」。
発酵は自然のサイクルの大切な動力。そして、我々の日々の暮らしを豊かにしてくれる重要なファクターなのです。
 「その土地で採れたもの、その季節のものを食べることが食の第一歩。それを保存という側面から助けてくれるのが発酵の大きな魅力です。せっかくの実りを無駄にせず食べきる事にもつながりますし。また、ビタミンやミネラルが増えて身体にもいい。そして何よりも、新鮮な状態とはまた違ったおいしさを生み出してくれる。発酵食を手作りし、家庭やお店で多彩に楽しむことで、大崎市全体をもっと元気にしていきたいですね」と会長。
 ”発酵食“と日本人とのつながり、特に大崎地方との関係について、あらためて見つめなおすきっかけになりそうなお話でした。これを機会に、もっともっと、日本に古くから伝わる発酵食品を食卓に並べてみませんか?

PROFILE
淺見 紀夫さん
昭和20年生。大崎市松山で、創業時に掲げた「手作りによる高品質の酒造り」を今も忠実に守り続けている株式会社一ノ蔵・代表取締役名誉会長。2011年に大崎市で開催された「全国発酵食品サミット2011inおおさき」の実行委員長も務めた。

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大崎市と発酵の関係について、どのような印象をお持ちですか?

「米、大豆、野菜といった食材が豊富で、冬の寒さに備えて保存性を高めるために“発酵”が昔から食卓に溶け込んでいて、それが今でも残っているんだと思います。地元の人にとっては気付きにくいかもしれませんが、東北の麹の文化は日本一で、関東や西日本の人がかなわないほど旨みのバランス感覚に優れています。それが各家庭の料理に残っているのではないでしょうか」

発酵食品を手軽に取り入れるにはどんな方法がありますか?

「麹を使った料理は、生命活動に欠かせない酵素が多く含まれています。甘酒や味噌などとして体に取り込むことで消化を助けてくれます。手軽に取り入れるなら漬物がおすすめ。味噌、醤油、甘酒などさまざまな調味料と麹を混ぜ合わせた漬け床に漬ければ、たっぷりの酵素と旨みをたっぷり含んだ漬物ができますよ。昆布や柚子などで香りをつけたり、漬け床をアレンジしてみるのも楽しいです」

伏木 暢顕
ふしきのぶあき、1975年生、東京都出身。“発酵王子”として、日本の発酵食文化を伝承する醸造料理人。発酵教室などを開催しており、日本全国を駆け回っている。
http://kamose.co.jp/